ビールはあかん

大人の飲み物って、小さい頃はすごく興味がありました。
この大人の飲み物というのは、もちろんお酒です。
小さな頃は父の飲むお酒を見て、一度で良いから飲んでみたいと思ったものです。
父はいつもビールを飲んでいましたが、このビールがもうシュワシュワしていてそれを見るだけで飲んでみたいという欲求が強くなりました。

ある日、父の帰宅が遅くなった日があり、夕食のあとに母がソファでウトウト眠ってしまったことがありました。
なんとなく、今ならビールを飲めるかも!と思った私は、急いで冷蔵庫を開けてビールを取り出しました。
そしていつも父がしているように、プシュッと缶を開けるとキンキンに冷えていたから白い煙のようなものが飲み口からゆらゆらっと上がります。
そして一口飲んでみると、強烈な炭酸と、苦い液体が口の中に入ってきます。
これはまずい!!と思ったものの、いつも父がしているように極々飲みました。

起きてきた母はそんな私の頭を思い切り叩いて、それからはビールは冷蔵庫の最上段に置かれるようになりました。

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